米国のAI関連株が2026年5月、ブレイクアウトの可能性を迎える。この分野を代表する主要3銘柄は、いずれも5月4日から5日までの間に2026年第1四半期決算を発表予定で、それぞれ異なるテクニカルパターンが確認されている。
1銘柄目は、強い上昇トレンドの後、ボリュームの乖離を伴いながら強気フラッグにとどまる。2銘柄目では、下降チャネルのブレイクアウトを再度試しつつある。3銘柄目は、下値警戒ラインの上で小幅反発。これら3銘柄の動向が、2026年5月におけるAI相場の行方を占う。
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の株価は、3月初旬から4月28日までに88.65%上昇し、187.65ドルから最高値353.93ドルに到達後、314.87ドルまで反落した。
チャートは現在、強気フラッグの形状を示している。これは急騰後に狭いレンジで推移し、次の上昇波をうかがう継続パターンである。5月の値動きは主要AI株全体のムードを左右する。2026年第1四半期決算発表は5月5日取引終了後の予定。
しかし、出来高は株価の動きと一致していない。2月24日から4月24日まで、AMD株は堅調に上昇したが、出来高は横ばいにとどまった。この出来高の乖離は、新たな買いの勢いが不足していることを示し、割高な水準での耐久力がやや疑問視されている。これが足元の持ち合い開始の背景である。
AMDが弱い勢いで決算発表を迎えた場合、どんな展開になるかは過去が示す。2025年第4四半期の2月4日決算発表では、純売上76億6000万ドルで市場予想を上回り、データセンター売上も54億ドルで過去最高を記録した。
しかし株価は発表直後、数日で192ドルから20%下落。ガイダンスの慎重姿勢と、急騰後の利益確定売りが響いた。
5月も同様のパターンがより鮮明となる構図。現在は2月の高値を上回る水準で推移しており、プット・コールの未決済建玉比率は1超、IVランク82.26%。どちらも大幅な値動きへの警戒を示唆する。
このため決算で上振れても、それだけでは十分とは限らない。314.69ドルを維持すれば強気フラッグが維持される。
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反落しても290.41ドルまでは持ち合い継続とみなせる。251.17ドルを割り込めばパターン無効。1日終値で353.93ドルを上抜ければ、マーケットアナリスト注視の過去最高値更新が意識される。
パランティア(PLTR)は過去6カ月で株価が約25%下落したが、注目点はこの下落そのものではない。12月以降、株価は2本の下落傾向トレンドラインに挟まれながら、下降チャネル内で推移。PLTRは3月24日と4月22日にブレイクアウトを試行した。
いずれも上値トレンドライン付近で跳ね返され、Q1 2026決算発表直前に143.20ドルに位置づけられている。決算は5月4日取引終了後を予定。
テクニカルには早期反転の兆候もある。2月24日〜4月10日にかけて、PLTR株価は安値を更新したものの、相対力指数(RSI)は高値を付けた。RSIは0〜100で価格動向を測るモメンタム指標。
この強気のダイバージェンスが、4月13日からの上値トレンドライン接近の原動力となった。
だがブレイクは失敗、その要因は出来高にある。4月13日から22日まで価格上昇時にも日々の出来高は減少傾向にあった。買いの勢いが乏しければ、モメンタムがあってもレジスタンス突破は難しい。
ただし、ファンダメンタルズがチャートに必要な出来高をもたらす公算がある。ウォール街はQ1売上15億4000万ドル(前年比74%増)を予想し、EPSも10四半期連続で予想上振れ。高い期待値が維持されている。
また、国防総省は3月、パランティアの「Maven Smart System」を正式なプログラム・オブ・レコードに指定。AI契約に対する長期的な見通しも確保した。
5月の命運を分ける目安は明確。140.78ドル(フィボナッチ比0.236)を維持すればパターンが有効となる。
151.91ドルを高水準の出来高で6%上抜けたことで、160.89ドル、最終的には198.98ドルへの道が開けた。140ドルを割り込むと、126.36ドルや122.81ドル付近のチャネル下限が意識される展開。
Super Micro Computer(SMCI)は、5月に注視すべきAI銘柄の中で最も明確な下落目線といえる。
同社株価は、米司法省が共同創業者ウォーリー・リャオ氏を25億ドル相当のNvidia製AIチップの中国への不正輸出容疑で起訴したことを受け、3月19日から23日までに30.79ドルから19.30ドルへと約40%急落した。SMCIは現在、2026年度第3四半期決算(5月5日発表)を控え、26.99ドルで取引されている。
この起訴で機関投資家による買いが途切れた。価格と出来高を組み合わせて機関投資家の蓄積・流出を示すチャイキン・マネーフロー(CMF)指標は、起訴発表と同日の3月19日に-0.28まで急落した。大口資金が一斉に抜け、株価は40%下落した格好。
その後CMFは+0.14まで回復し、株価も安値圏で上昇チャネルを形成している。しかし、これはあくまで壊れた構造内でのリリーフラリーであり、反転ではない。
現在も株価はチャネル下限付近に位置し、ファンダメンタルズの悪化も続いている。
4月22日には、BlueFin Researchが、オラクルが起訴との関係を避けるため、110億ドルから140億ドル相当の300~400台のGB300サーバーラックの契約をキャンセルしたと報告。同週、みずほ証券は目標株価を25ドルに引き下げた。
5月5日の決算発表が今後の方向性を示す重要な材料となる見込み。オラクルやxAI関連の収益悪化が判明すれば、市場は3月同様の機関投資家の投げ売りを招く可能性がある。
レベル的にも極めて限定的かつ非対称な展開。27.17ドルを割り込めば25.36ドルまで下値余地が広がり、さらにそこを割ると3月安値の19.48ドルにも再び接近する。チャネルを強気に転じるには34.86ドル回復が必要だが、その水準は現状から約30%上となる。
下落トリガーまであと6%と迫っており、SMCIは5月に注目すべきAI銘柄の中でも特に緊張感の高い展開が続く。

