イーベイの取締役会は、ゲームストップによる総額560億ドルの買収提案を拒否した。ライアン・コーエンCEO主導による現金と株式によるこの提案について、「信頼性も魅力もない」として退け、資金調達の道筋も不透明と警告した。
この決定により、敵対的買収の構図となる可能性が高まった。コーエン氏は、同社取締役が交渉に応じなければ、1株あたり125ドルの買収案を特別株主総会の開催を通じて、イーベイの株主に直接提示する考えを示している。
イーベイの取締役会は、買収規模に見合う資金調達方法が不透明である点を指摘した。ゲームストップの時価総額はターゲット企業であるイーベイの約4分の1に過ぎない。
コーエン氏は、両社統合後に投資適格格付けを維持できることを条件に、TD銀行からの200億ドル融資確約書があると説明している。
ムーディーズは、合併が実現した場合はイーベイの信用に悪影響と指摘。統合後の企業の負債増大が理由だ。また、相互に重複が少ない小売2社の統合による事業リスクや、株式主軸のスキームによる既存株主の希薄化も課題とされた。
この買収提案は、コーエン氏がこの1年で株式売却や転換社債発行により、ゲームストップの資金を約88億ドルに増やしてきた流れと大きく異なる。同社は昨夏、ビットコイン(BTC)を4710BTC購入し、上場企業として最大級の保有額となった時期もあった。
コーエン氏は最近、消費者事業の大型案件について「ビットコインよりもはるかに魅力的」と述べ、イーベイの買収資金を賄うためにゲームストップのBTC資産売却も排除しないとしている。直近では、BTC全保有分をコインベース・プライムに移動し、売却観測が広がった。
この買収案により、ゲームストップ株は個人投資家の関心を再び集め、ミーム株ブームの再燃につながっている。
今後数週間で、コーエン氏が株式公開買付けや正式な株主提案に踏み切るかが注目される。いずれの場合も、イーベイ株主に直接判断を迫ることとなり、取締役会がすでに拒絶した買収案の行方が焦点となる。

