ブレント原油価格は5月22日、104.70ドルで推移し、重要なテクニカル水準を下回っている。トランプ米大統領によるイランとの早期合意要請が、原油から地政学リスクプレミアムを引き下げている。
ヘッジファンドはロングポジションを減らし、プットヘッジは増加、チャートはチャネルサポートを試す展開。3つのシグナルがブレント原油の重要な局面を示している。
トランプ米大統領は今週、イランとの戦争は「すぐに」終結すると語った。合意が成立すれば、原油価格は大幅に下落すると付け加えた。
この発言は、今月ホワイトハウスから発せられた地政学的緊張緩和の最も明確なシグナルとなった。4月以降、地政学リスクが原油価格の主な支えとなっていた。
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ブレント原油は4月17日以降、上昇トレンドチャネル内で推移している。この構造は2本の平行な上昇トレンドライン間で価格が上昇する強気なフォーメーションである。
直近の下落で、ブレント原油はチャネル下限に接近している。このラインを明確に下抜ければ、トレンドは強気から中立・弱気へ反転。5週間ぶりの下方向への転換となる。こうした弱気の傾きは投機筋のポジションにも表れている。
CFTC(米商品先物取引委員会)の原油投機筋ネットポジション報告は、ヘッジファンド・非商業投資家のロングからショートを差し引いたもの。3月28日終了週に23万3600枚でピークを付けた。
最新の5月16日発表では16万9900枚。7週間で約6万4000枚、27%の減少となった。
この変化は、地政学リスク要因の後退を受けて、ファンド勢が強気ポジションを手仕舞っていることを示唆。オプション市場もこの流れを確認している。
BNOは米国上場の主なブレント原油ETF。プット・コールレシオ(プット取引対コール取引の比率)は1.0未満が強気とされる。
出来高比率は5月15日の0.15から5月21日には0.30と2倍になった。
出来高急増は新規プットヘッジの増加を示す。全体としては依然として強気寄りだが、方向感に対する確信は弱まっている。3つのシグナルがマクロ要因と一致。チャートも同様の動きを示している。
ブレント原油価格は104.70ドルとなり、20日EMA(指数平滑移動平均)105.41ドルを下抜けた。次の節目は50日EMAの100.27ドル。
この水準はフィボナッチ0.5の100.83ドルとも重なる。同指標は過去の主な値動きからサポート・レジスタンス候補を示す。各節目が集中することで100ドル大台が注目される。
100ドルを明確に割り込めばチャネル下放れが確定。次のメジャーターゲットは86.37ドル。現値から目標までの中間的な節目は97.42ドルと92.56ドル。
200日EMAの82.43ドルが構造的な下限となる。これを割り込むと1.618倍のエクステンション68.49ドルが視野に入る。
強気シナリオを維持するにはブレントが迅速に108.47ドルを回復する必要がある。115.30ドル以上で日足引けとなれば、弱気シナリオは完全に否定される。
100ドルを維持できればチャネル継続、割り込めば86ドル方向の下落目標への下押しとなる。

