ビットコインは5月23日、トランプ米大統領がイランとの平和覚書「大筋で合意」と発言したことを受け、大きく反発した。数日間続いた地政学的リスクへの懸念が後退した形。
BTCは直前に7万5000ドルを割り込んだ。約1か月ぶりの安値となった。その後は7万7000ドル近辺まで反発し、24時間で1.4%上昇した。米国とイランの対立が和解に向かうとの観測が、投資家心理を改善させた。
トランプ米大統領は、サウジアラビア、UAE、カタール、パキスタン、トルコ、エジプト、ヨルダン、バーレーンの各国首脳と会談したと表明。さらに、イスラエルのネタニヤフ首相とも個別に電話で協議したとした。
トランプ米大統領によると、協議は「平和に関する覚書」が主題だったという。同氏はまた、ホルムズ海峡も合意の下で再開されると付け加えた。
この声明は市場に明確な安心感をもたらした。ホルムズ海峡は原油・エネルギーの流通で世界資産の最大リスクとなっていた。再開されれば原油市況の圧力が低下し、幅広いリスク要因も緩和する見通し。
ビットコインの反発は、1日の取引での急激な戻しが起点となった。
ただし、アルトコインの上昇がビットコインを上回った。短期的な恐怖感が和らぎ、リスクの高い資産に投資家の資金が戻った格好。
生成AI関連のトークンが上昇を牽引した。NEARプロトコルは24時間で14.8%上昇し、1週間で62%超の上げとなった。ワールドコインも24時間で8.7%、週間で26%以上値を上げた。
プライバシー関連資産も軒並み高に転じた。ジーキャッシュは24時間で8.8%高、週間では28%近い上昇で大型銘柄として健闘をみせた。
その他の主要アルトコインも反発した。オンドは8.5%高、モルフォは7.8%上昇、ハイパーリキッドも6.3%高となった。
ただし、本格的な回復には、声明通りの合意が具体的な枠組みとして成立するかどうかがカギとなる。経済制裁の解除、イランの核問題、再発防止策、ホルムズ海峡に関する執行措置など、主要な論点は依然として未解決。
現時点では、市場はトランプ米大統領の最新声明を緊張緩和の大きなサインと受け止めている。ビットコインは1か月ぶりの安値から反発し、アルトコインもリスクオンムードを反映した値動きとなっている。

