Yコンビネーター共同創業者のポール・グレアム氏が、AIを使って営業メールを代筆する起業家を公然と非難した。こうした手法は意図的な欺瞞だと断じた。
X(旧ツイッター)への一連の投稿で、グレアム氏が自身の見解を示した。同氏によれば、AIが生成したメッセージは「強いジャーナリズム的な文体」で見分けがつくと指摘。大規模言語モデルが普及する以前、起業家がこのような書き方をすることはなかったと述べた。特徴は件名や内容ではなく、プレッシャー下の創業者が実際には書かないような洗練された文体そのものに表れるという。
スタートアップ業界の第一人者であるグレアム氏は、AI生成特有の文体を識別した時点で、読むのを完全にやめると述べた。
P. Graham, Source: Xグレアム氏にとって問題は美的感覚ではない。人間の声を模した機械生成の文章は、送信者の意図にかかわらず欺瞞にあたるとの認識を示した。
同氏は、この手法を効率化ではなく、不誠実だと位置づけた。人間の名前で署名されたが、実際にはAIが生成したメッセージは、利便性の域を超えて操作的だと主張した。
また、AIを使った自動文章生成は、創業者の効率性を示すものだとの見方も否定した。むしろ自力で意思疎通ができないことの表れであり、相手を欺く意図があると解釈できると指摘した。AIに執筆を委ねるのは独創性の証明ではないとも言及。同じことは十代の若者でもできると論じた。
AIがYコンビネーターのスタートアップ成長を加速させたとの過去の称賛を指摘された際、グレアム氏は明確に線引きをした。「どんな技術であれ、正しく使うべきだ」と述べた。
こうした区別は、文化的なシグナルへと変化しつつある。AI生成コンテンツがプロの受信箱にあふれ、AIブームを巡る懸念が高まる中、投資家は実質でなく体裁で代替するすべてのものに慎重な姿勢を強めている。自ら文章を書く創業者は、それだけで目立つようになった。自筆のテキストが、自動生成された文章があふれる中で、付加価値のある証と見なされ始めている。


