2026年ワールドカップが本日開幕、アステカ・スタジアムでメキシコが南アフリカと対戦する。オンチェーン上のトーナメントはすでに先行スタートしている。
ワールドカップ・トークンは分散型取引所で24時間あたり4940万ドルを売買した。SNS上ではプロモーションが活発だ。以下は誰が実際に購入したかを示すフロー。
Xのタイムラインはトーナメント・トークンの宣伝であふれている。本稿はオンチェーンデータのみを追った。
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BeInCryptoのワールドカップ・トークンスクリーナーは、流動性5000ドル以上、日次取引が1000ドル以上の93のトークンを追跡している。既存のワールドカップ・トークン合計のDEX取引高は24時間で4940万ドル。過去1週間で新規発行されたトークンは34に上った。
Duneのデータによると、相場全体のペア作成数は1か月で約36%減少し、1日あたりおよそ6700件。一方でワールドカップ関連の動きは逆方向を示した。
全チェーンにおける週間DEX取引高は815億ドル、前週比35.7%増。ただし、Fifaトークンのみのテーマ別日次シェアはこの取引高の0.5%未満にとどまる。
ソラナがテーマの主役を担う。93トークン中66がソラナ上で流通し、全体の約88%、4350万ドルの取引高を記録した。
Duneのデータによれば、ソラナのDEX取引高全体は過去30日で44.9%減となったが、市場シェアは47.9%を維持した。ワールドカップ関連の取引高は減少傾向に逆行しており、イベント主導型の盛り上がりとみられる。
BeInCryptoが独自開発したブーム指数は、DEX取引高、新規トークン発行、世界的なニュースシェア、Wikipedia閲覧数の4指標を0~100で平均し、総合スコアは最大値の100を記録。
ニュース共有の分析には、世界の報道記事を追跡するGDELTが利用されている。
ワールドカップ関連のニュースは全体の0.83%の報道シェアに到達。Wikipediaの1日あたり閲覧数は5月中旬の約8万から6月9日には32万7240に急増。
注目度はあくまで一層でしかない。実際に資金を投じたウォレットも別に存在する。
BeInCryptoのトラッカーは、開幕直前の24時間でテーマ上位10トークンにおけるクジラ取引608件を記録。買いが46万7500ドル、売りは43万9100ドル。
ネットフローは2万8400ドルで、総取引高の約3%。蓄積というより売買が交錯した形だ。MESSIおよびGOAL銘柄が主な往復取引を占める。
Nansenのフローデータではウォレット種別ラベルが追加されているが、その多くは空白だった。過去7日間、テーマ銘柄全体でスマートマネーやクジラによる大きなフローは見られない。
どちらのグループも大きくポジションを取っていない。
一方で個人投資家が動く。新規ウォレットは過去1週間でラップドCHZを6万4800ドル分購入し、通常の約1.2倍のペースで資金を追加。フローデータがある4銘柄中3銘柄は小幅な純流出。
例外はBNBチェーン上のFWC26で、約7100ドル分が取引所に流入。このような動きは売りが先行する前兆となる場合が多い。なおGOALはBeInCryptoダッシュボードやNansenデータにも登場する。
存在しないこと自体が情報である。テーマ性取引に先回りする常連のウォレットが、今回は静観している様子。一方で、新規ウォレットや取引所からの引き出しが買い手の中心となる。
フローは「誰が不在か」を示す。トークンテーブルを見れば、質がわかる。
出来高対時価総額比率とは、その日の売買高をトークンの時価総額で割った値。この比率が1を大きく超える場合、多数回の売買で同じ資金が循環している可能性が高い。こうした傾向はリサイクル出来高を示唆する。
新規ソラナ銘柄2つのプールで、合計約2900万ドルが売買され、テーマ全体の1日の出来高の約59%を占めた。各プールの公開流動性は7000ドル未満にとどまる。
出来高対時価総額比率はそれぞれ105倍と80倍。両プールとも、スクリーナー上で最も高いリスクスコア100となる。これは流動性の薄さや新規デプロイなどの警告要素によって加算される。こうした数字は通常、自然な需要ではなく作為的な動きを反映するに過ぎない。
上場タイミングの集中も目立つ。Duneの30日間の取引ランキング上位8つのフットボールトークンのうち、7つが6月7日から10日までの間に初取引されている。
ソラナには「CR7」銘柄の異なるトークンが3つ上場しており、合計週間出来高は両側取引を含めて9300万ドルに迫る。さらに、異なる「MESSI」トークンがソラナとBaseで取引されている。
主要なCR7プールの流動性は約970万ドルであり、平均取引規模は8000ドルから1万2000ドルと最大級となる。
WORLDCUPは5月12日から取引されており、全テーマトークン中、唯一1週間分の価格履歴を持つ。価格は96.9%上昇。
GOTは459日経過しており、この中で最も低いリスクスコアを示しつつ、ネット売り圧力が52%発生している。
グループステージを生き残るのは「質」が決め手。2022年の記録と現在価格が勝負の分かれ目となる。
ワールドカップPvPは最大規模のテーマトークンで、イーサリアム上で約0.040ドルで取引されている。GOALはNansenのデータで0.00016ドル。ラップド・チリーズ(CHZ)はソラナで約0.027ドル、FWCは約0.00008ドルで推移する。
2022年サイクルは、チリーズ独自チェーン上のSociosファントークンを中心に展開された。これは主なDEXデータベースの指標外となる。一方、現サイクルはDEX上のミームコインが中心となる。
CoinGeckoのリサーチによると、2022年ワールドカップを控えた時点でファントークンがピークに達し、開幕後には下落した。
アルゼンチンのトークンは開催6か月前から約1000%上昇、ポルトガルは953%上昇した。ノックアウトで敗退すると、敗者側のトークンは51%から59%下落した。アルゼンチンは優勝当日も47%下落した。
きょうも同じ構図が繰り返される。キックオフ前にブームが最高潮に達し、相次ぐローンチで資金流入が続く。スマートマネーは全テーマトークンで様子見の姿勢を維持している。
2022年と同様なら、ワールドカップトークンは試合結果に世間の関心が移ると共に勢いを失う。テーマ出来高が4900万ドル以上を維持しつつ、新規ウォレット流入が続けば、このパターンを打破できる。
ワールドカップトークンがキックオフ後も買い手を集め続けるのか、それとも2022年同様、開幕が天井となるのかが焦点となる。

