ビットコインの「含み損」状঺ビットコインの「含み損」状঺

ビットコイン損失供給が過去最高に 市場底値を示すとは限らず

2026/06/26 20:00
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ビットコインの「含み損」状態の総供給量が過去最多の1070万枚に達した。原油価格の急落によってインフレ鈍化への期待が高まり、FRBの利上げ回避とBTCの6万ドル維持が再び注目されている。

オンチェーンデータによれば、損失状態のビットコインが過去最多となった。現在サイクルで2度のピークはいずれも価格の底付近で示現しており、トレーダーは今回も同様のパターンとなるか注視している。

損失状態のビットコイン、過去最多

Glassnodeのデータによると、6月25日時点で「含み損」状態の総供給量は1069万4567BTCに達し、過去最高を記録した。

過去最高記録過去最高記録 出典: Glassnode

この指標は、最後に移動した価格が現時点より高かった全てのコインをカウントしている。

含み損の総供給量BTC含み損の総供給量 出典: Glassnode

この指標の高水準は、大規模な売りが発生した後、保有者の多くが「含み損」状態にあるときに現れることが多い。このようなストレスが続くと、売り手の供給が枯渇する局面となる場合もある。

ビットコインの「含み損」シグナルは、過去の転換点でも観測されてきた。今年2月上旬に同指標は990万枚近くまで急増し、BTCが局地的な底を付けた。昨年11月も、価格が8万5143ドル付近で反発する直前に同様のピークを記録した。

BTC 含み損の総供給量、局地的ピークBTC 含み損の総供給量、局地的ピーク 出典: Glassnode

アナリストらも希少な「底値シグナル」点灯を今回サイクルで指摘している。いずれの指標も底値を保証するものではないが、過去の底付近で頻出することから注目度は高い。

もっとも、この「底値」が維持できるかどうかは、チャートではなく現在進行中の原油市場というマクロ環境に左右される可能性がある。

原油安がインフレに与える影響

ブレント原油はこの1カ月で約27%下落し、1バレル74ドル付近まで下がった。WTIは一時70ドルを割り、現在も同水準で推移している。

ホルムズ海峡の緊張緩和や、米国の認可によるイラン産原油の一部取引再開が背景にある。JPモルガンは、ブレント原油の第4四半期予想を80ドル、来年は64ドルに下方修正した。

直近のインフレ統計でも最大の押し上げ要因はエネルギーだった。5月のCPIは前年比4.2%上昇し、3年ぶりの高水準となったが、月間のエネルギー価格は3.9%上昇した。

エネルギーコストは12カ月で23.5%上昇し、イラン情勢やホルムズ海峡の供給ショックが要因となった。この単一要因が全体の押し上げにつながった。

一方、コアインフレは2.9%にとどまり、急騰はエネルギー要因に限られたことが示唆された。コア財は月次で下落し、関税転嫁の影響も薄れている。原油安はインフレ圧力低下につながるが、ガソリン価格の下落ほど素早く公式統計に反映されるわけではない。

強気シナリオを難しくする「タイムラグ」

原油安がインフレを直ちに冷やすことはない。調査によれば、ガソリン価格のショックはCPI全体の変動のうち約65%に影響するが、コアCPIには10%程度しか波及しない。

ヘッドラインインフレには2〜3カ月後に直接影響が表れるが、コアインフレへの波及は約8四半期(2年)かけて緩やかに進む。このため、6月と7月の統計は原油安にもかかわらず高止まりする可能性がある。

このタイムラグは投資判断に影響する。原油安の効果は現実だが、公式インフレ統計に波及するまで数カ月かかるため、FRBは慎重姿勢を継続する。市場はやや警戒を緩め始めており、Polymarketでは2026年のFRB利上げ確率が6月20日の66%から53%まで低下している。

利上げ予想米連邦準備制度理事会(FRB)利上げ予想 出典: Polymarket

CME先物は最近、11月の利上げをほぼ五分五分と織り込んでいた。FRBは6月17日に目標レンジを3.50%から3.75%に据え置いた。粘着性の高いインフレと堅調な労働市場を理由とした。

こうした環境は、ビットコインが底値形成にあるのか下落局面入りかをめぐる現役の4年サイクル論争に発展している。インフレ期待がさらに低下すれば、リスク資産の重しが大きく軽減される。

ビットコイン、金、そして6万ドルの攻防

ビットコインは6万ドルを下回り、きょうは5万9400ドル付近で推移した。損失状態となっている供給量の過去最高記録は、現在この注目される下値水準で推移している。

ビットコイン価格ビットコイン価格 出典: BeInCrypto

ビットコインと金の30日相関は0.364で、適度に正の関係にある。こうした連動性は、マクロショック時に投資家が安全資産へ資金を移動させると強まる傾向。

ビットコイン・金の連動性ビットコイン対金 30日相関 出典: Charlie Quant Lab

金は年初の過去最高値5,600ドル付近から失速し、利上げ期待が高まるなか4,000ドルを割り込んだ。直近では米国債利回りの低下を受けて反発している。

10年物国債利回りは6月24日に約4.41%へと低下し、6週間ぶりの安値を付けた。原油価格が紛争前の水準に下落したことも背景。利回りの低下とインフレ懸念の後退は、金とビットコイン双方にとって追い風となる。この動きから、6万ドル近辺の下値攻防は単なるテクニカル節目ではなくマクロセンチメントの試金石といえる。

ビットコインの損失供給量(オンチェーン検証)は、両面の意味合いがある。底値での投げ売りを示すことが多く、2月や11月にも同様のパターンがみられた。ただし6万ドル割れの場合は、さらなる下押しで損失コインが増えるリスクも排除できない。

この相場のカギは連鎖的な状況次第となる。原油下落がインフレを落ち着かせ、インフレ低下が利上げ期待を鈍化させ、更にその期待低下がセンチメントを押し上げる必要がある。金は既にセンチメント改善の恩恵を受けており、ビットコインとの連動も寄与する場面があり得る。

ビットコインが6万ドルを維持できるかどうかは、市場がどこまでこれらのシナリオを先取りして織り込んでいるかを浮き彫りにする。詳細は最新の6月ビットコイン価格見通しでも検証されている。

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