暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)が、インドでの新規ユーザー登録を再開した。これは同社が2023年にインド居住者向けサービスを全面停止して以来、約2年ぶりの動きとなる。同件については12月7日、米メディア「テッククランチ(TechCrunch)」が報じた。
コインベースは今年3月、インドの金融情報機関FIU(Financial Intelligence Unit)への登録を完了したと公式ブログで発表していた。これにより同社は同国内で暗号資産取引サービスを提供できるようになり、再参入に向けた準備を進めていたという。
コインベースは2022年にインド市場へ参入したが、統一決済インターフェース(UPI)を運営するNPCIが同社サービスを承認していないと表明したことを受け、UPI対応を数日で停止。その後2023年にはインド居住者向けサービスを全面停止し、既存ユーザーにもアカウント資産の整理を求めていた。こうした停止措置を経て、FIU登録後に再参入への準備が進められていた。
今回の再開にあたり、コインベースはまず暗号資産間の取引の提供を開始している。同社アジア太平洋地域ディレクターのジョン・オログレン(John O’Loghlen)氏は、2026年にインドの法定通貨ルピー(INR)をアプリに入金し暗号資産を購入できる「法定通貨オンランプ」を導入する計画があると述べたという。
同社はサービス再開に向け、FIUなど規制当局と協議を重ねてきた。FIU登録後の2025年10月には限定的な「早期アクセス」プログラムを通じて一部ユーザーのオンボーディングを再開し、今回すべてのユーザーが登録可能となった。また12月には、コインベースの国際政策アドバイザーがインド議会の財務常任委員会に出席したほか、同月にはカルナータカ州政府とブロックチェーン活用を推進するための覚書(MoU)を締結するなど、政府関係者との協力関係も進展している。
さらにコインベースは、インド市場へのコミットメントを強めているとみられる。今年10月には、インド大手暗号資産取引所コインDCX(CoinDCX)への追加出資を発表している。
参考:テッククランチ・コインベース
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