Suiがブータンで技術検証を実施 レイヤー1ブロックチェーン「スイ(Sui)」を開発するミステン・ラボ(Mysten Labs)は、通信環境が不安定な地域においてもブロックチェーン上のトランザクションやデータ記録を行える […]Suiがブータンで技術検証を実施 レイヤー1ブロックチェーン「スイ(Sui)」を開発するミステン・ラボ(Mysten Labs)は、通信環境が不安定な地域においてもブロックチェーン上のトランザクションやデータ記録を行える […]

Sui、ブータンでオフライン環境下のトランザクション実証。通信不安定地域での活用可能性を検証

2025/12/12 14:43

Suiがブータンで技術検証を実施

レイヤー1ブロックチェーン「スイ(Sui)」を開発するミステン・ラボ(Mysten Labs)は、通信環境が不安定な地域においてもブロックチェーン上のトランザクションやデータ記録を行えるかを検証するため、ブータンでスイのネットワークを用いた技術実証を行ったことを12月10日にスイ公式ブログで明らかにした。

同ブログは、ミステン・ラボのチーフ・クリプトグラファーであるコスタス・チャルキアス(Kostas Chalkias)氏が執筆している。同氏によると、多くのブロックチェーンが前提としてきた常時のインターネット接続が確保できない環境においても、トランザクションの生成や検証が可能かを実地で検証することが今回の目的だったという。

ブータンは、急峻な山岳地形により通信が断続的になりやすい一方で、政府や投資機関などがデジタルインフラの活用を模索している国だと説明されている。ミステン・ラボは、理論やシミュレーションではなく、実際の地理的・通信的制約が存在する環境で検証を行ったとしている。

今回の技術検証では、インターネットに直接接続できないデバイスが、オフラインで暗号署名されたトランザクションデータを生成し、それを低帯域(低消費電力で広範囲をカバーする)の無線通信やドローンなどの物理的な中継手段を通じて、通信環境が確保できる地点まで伝送する仕組みが試されたという。最終的にデータはゲートウェイを経由して検証され、スイのブロックチェーン上に記録されたと説明されている。

現地では、遠隔地に設置されたセンサーなどが生成するデータを想定し、通信が遮断される場面ではドローンを用いた物理的な中継も行われた。また通信量を抑えるため、送信される情報は最小限の署名済みデータに限定され、到達後に完全なトランザクションとして再構築・検証される設計が採用されたという。センサー自体が暗号署名を行う点も特徴とされている。

こうした仕組みは、オンチェーンでの処理を最小限に抑えつつ、オフチェーンでトランザクションを生成・署名し、最終的にブロックチェーン上で検証・記録する設計に基づくものだという。同ブログ自体では他チェーンには言及していないものの、編集部の見解としてこのような考え方は、ビットコインのライトニングネットワークや、イーサリアムなどで用いられてきたステートチャネル型のアプローチと共通する考え方を持つ技術的手法とみられる。

なおチャルキアス氏は、2025年4月に自身のXアカウントで、韓国においてインターネットに接続できないが携帯電話網にはかろうじてつながる環境下でも、SMSを通じてSUIトークンの決済を行う技術実証を行ったことを明らかにしている。

今回ブータンで行われた技術検証は、そうした過去の取り組みと同様に、インターネット接続を前提としない環境においても、ブロックチェーン上のトランザクションやデータ記録を生成し、検証し、最終的にブロックチェーン上で確定させることが可能かを検証する文脈に位置付けられる。

同ブログでは、今回の取り組みについて、製品のローンチや商用サービスの発表ではなく、あくまでエンジニアリング上の技術検証であると説明している。ミステン・ラボは今後も、通信環境やインフラ条件に左右されにくいブロックチェーン技術の研究開発を進めていく姿勢を示している。

参考:スイ
画像:PIXTA

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