オンチェーン融資およびステーブルコイン事業を展開するUSD.AI は22日、オーストラリアのAIインフラ企業シャロンAIに対し、最大5億ドル(約791億円)の融資枠を承認したと発表した。USD.AIはこの融資枠を通じ、GPUを裏付けとした資産担保型ローンを提供する。資金は同社のオンチェーンシステムを経由し、ステーブルコインによって供給される。
USD.AIは、AI用ハードウェアを「トークン化された担保」に変えることで、高額な設備投資が必要なAI事業者が、保有するGPUを元手に迅速かつ容易に資金を借り入れられる仕組みを提供している。同プロトコルは、米ドルステーブルコイン「USDai
usdai」と、保有することで利回りが得られる「sUSDai
susdai」という2つのトークンを活用しており、AI事業者には新たな資金調達ルートを、投資家には現実資産に基づいた利回りを提供している。
今回のシャロンAIへの融資は、企業の信用力ではなく物理的なGPUそのものを担保にする「ノンリコース(非遡及)型」である点が特徴だ。万が一返済が滞った場合でも、返済義務は担保であるGPUのみに限定され、シャロンAIの他の資産には請求が及ばない。また、銀行を介さずブロックチェーン上で送金が完結するため、従来の金融機関よりもスムーズな資金提供が可能になる可能性がある。
シャロンAIによる融資枠の利用は、早ければ2026年第1四半期にも開始される見込みだ。初期段階として6,500万ドル(約102億円)がGPU配備のために引き出される予定である。
USD.AIによるAIインフラ事業者向けの融資枠承認総額は、今回の件を含めて合計12億ドル(約1,899億円)を超えた。同社はこれまでにキュムラスAIやクオンタム・ソリューションズといった企業に対しても同様の融資枠を提供している。
USD.AIの金融モデルにおける最大のリスク管理策は、信用リスクを企業のバランスシートではなくインフラレベルで分離している点にある。導入されたGPUは独立して検証された上で、ブロックチェーン上の担保として登録される。これにより、信用の発行と継続的な監視のための透明な基盤が確立され、投資家は計算資産から生み出される収益に対して直接的に投資を行うことができる。
今回のUSD.AIによる巨額融資枠の承認は、現実資産(RWA)とDeFi(分散型金融)が産業インフラの資金調達に活用される動きが広がりつつあることを示唆する。今後、オンチェーンを活用した資金調達が、企業にとって主要な調達手段のひとつとなる可能性がある。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.3円)
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