McKinsey(マッキンゼー)が1月23日に公開したレポートによると、2025年のステーブルコイン取引額は35兆ドル(約5460兆円、1ドル156円換算)に達した。だが、この取引の大部分は、サプライヤーへの支払いや送金といった実世界での決済ではなく、主に取引、資金の内部移動、自動化されたブロックチェーン活動で構成されているという。
ステーブルコイン取引額の内訳をより正確に把握するため、マッキンゼーはブロックチェーンデータ分析企業のArtemis Analytics(アルテミス・アナリティクス)と共同調査を実施。その結果、2025年の実世界でのステーブルコイン決済額は3900億ドル(約61兆6200億円)であり、ステーブルコイン取引額の約1.1%、世界全体の決済額の約0.02%に過ぎないことが明らかになった。
一方で、ステーブルコイン市場は近年急速に成長しており、流通供給量は2020年の300億ドル(約4兆7400億円)から現在は3000億ドル(約47兆4000億円)超に拡大。主要金融機関は、2030年までに供給量が2兆ドル(約316兆円)から4兆ドル(約632兆円)の範囲に達すると予測しており、金融機関からの関心が高まっている。
具体的な活用分野としては、「グローバルな給与支払いと送金(2025年の年間取引額は約900億ドル、約14兆2200億円)」、「B2B決済(年間取引額は約2260億ドル、約35兆7080億円)」、トークン化ファンドにおける配当金の自動支払いなどですでに活用されている「資本市場(年間取引額は約80億ドル、約1兆2640億円)」が挙げられる。これらは、現時点では規模は小さいものの、将来的に拡大余地のある分野として注目されている。
同レポートによると、実世界でのステーブルコイン決済額が一般的な推計よりもはるかに少ないという事実は、決済手段としてのステーブルコインの長期的な可能性を損なうものではないという。むしろそれは、市場が現在どの段階にあるのか、ステーブルコインの拡大に何が必要なのかを評価するためのより明確な基準を確立するものだとしている。
|文・編集:廣瀬優香
|画像:Shutterstock
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