米国株式市場は2026年2月17日、下落して取引を開始した。大統領の日明け初の取引日であり、S&P500は本稿執筆時点で6,840前後で推移。金曜日の高値から約0.65%(約44ポイント)下落しているが、本日の寄り付きからはほぼ0.58%上昇している。これは各業種で買い手が入り始めていることを示唆。
AIが従来型ソフトウェアやテックモデルを脅かすという「SaaSpocalypse」懸念が引き続き市場を圧迫。このため、情報技術セクターは最も弱い動きで、日中で1.5%下落。シノプシス(Synopsys, Inc., SNPS)が銘柄別で最も下落しており、AIへの不安が広がる中で1.6%下落。
• エンパイア・ステート製造業指数:ニューヨーク連銀の調査によれば、2月は+7.1で地域的には緩やかな拡大。1月の+7.7よりわずかに下回るが、市場予想は上回る。この米国製造業活動の先行指標は、景気減速への懸念に安心感を与える内容。
• カナダCPIが減速:1月のヘッドラインインフレ率は前年比2.3%(前回2.4%)へと鈍化。ガソリン価格の低下が主因。弱めの数値がデフレ圧力の物語を補強し、米国でも同様の傾向となる可能性があり、利下げ観測をサポート。
• 米イラン間の間接協議再開:本日ジュネーブでの協議では、核問題や緊張緩和が主要議題。進展があれば、原油市場やエネルギー・世界貿易セクターのボラティリティ抑制に寄与する見通し。
ウォール街は依然として慎重な姿勢を維持している。2026年2月17日、米株市場はまちまちな展開だが、「SaaSpocalypse」懸念が根強く全体として弱含み。S&P500は安く寄り付き、いったん100日EMAを割り込んだがすぐに回復。
指数は6,834~6,841で落ち着き、2月13日高値から日中で0.65%下落。
動きは小幅な回復を示唆するが、2月13日(金)の高値を上回るかが本格的な反発のカギ。
この展開は2025年11月下旬の状況と似ている。11月28日、指数は100日EMAを割り込んだが、翌日すぐに回復し、大幅な反発へ。S&P500は11月下旬から1月下旬にかけて約7.38%上昇。
それ以降、100日EMAは強いサポートとして機能。現在の重要なサポートはこのゾーン、6,819前後に位置。終値がこれを下回れば、6,762や6,705までの下落圧力強まる。6,889(週末高値)を明確に突破すれば、節目の7000台が視野。
ただし、スタグフレーション的な懸念(インフレ高止まりや成長減速)やAIによる混乱への懸念から、上値追いの動きは限定的。
ナスダック総合はより大きく下落し、ITセクターの重しを浮き彫りに。S&P500時価総額に占めるITの構成比33%が指数への影響を拡大。
恐怖指数(VIX)は1.08%低下し20.97(序盤の高水準から下落)。ボラティリティの低下示唆だが、ここ数か月の最安値と比べると依然高く、市場の慎重姿勢を反映。
米10年債利回りは4.05%(本日はやや下落、約2.5か月ぶり安値付近)。
安全資産志向とインフレ期待の鈍化を反映。債券に追い風だが、利下げ予想の後ずれから成長株や暗号資産には重し。
2026年2月17日の米国株式市場は、明確なセクターローテーションを示している。テクノロジー(XLK)が最も大きく出遅れており、2月13日の高値から約1.24%下落(本日も-0.37%で推移中)。
XLKは、State Street Global Advisorsが運用するテクノロジー・セレクト・セクターSPDRファンドである。S&P500指数をGICSの11セクターごとに分割し、狙いを定めた投資ができる代表的セクターETFの一つ。
Nvidia、Microsoft、Appleなどの主要ハイテク株や、ソフトウェア・半導体企業を追跡する。このため、XLKは成長へのセンチメントや生成AIなどの動向に敏感である。
XLKのチャートにはヘッドアンドショルダーズ型という弱気のパターンが現れつつある。ネックラインは133付近で安定している。ここを明確に下抜けると、パターンが確定し、ヘッドからネックラインまでの値幅をもとに10%の下落(129、さらにはマーケット全体やAI懸念が悪化すれば120まで)となる可能性がある。
公益(XLU)は金曜日に2.5%上昇して以降、相対的な強さを継続。本日は市場全体と同様0.40%下落しているが、週間ベースでは引き続き最も強いセクター。
成長・ハイテクからディフェンシブやバリューへの資金の流れにより、S&P500が堅調に推移する一方で下落する場面もある。XLKは指数の33%を占めるため、その弱さが他の上昇を上回ってしまう。
弱気パターンは、141〜144を回復すれば無効となる。さらに150を上抜ければ、このリスクは完全に払拭される。
Synopsys(SNPS)は米国株市場の代表的な出遅れ銘柄。本稿執筆時点で4.43%安となり、約419で取引中。
SNPSはEDAソフトウェアおよび半導体IPのリーディング企業の一つであり、ソフトウェアインフラ分野と密接な関係にある。そのため、AIが半導体設計プロセスに変革をもたらすとの懸念が続く中、影響を受けやすい。
XLK内でのSNPSの組入れ比率は0.72%と控えめ。ETF全体への影響は限定的だが、ソフトウェア不振の代表格(たとえばORCL -3.85%、CRWD -5.12%、FTNT -4.11%)として機能する。
SNPSの日足チャートは、1月12日から始まった24%の下落後、2月4日の反発と揉み合いによってベアフラッグ(弱気旗型)の中で推移している。本日はブレイクアウトを試みたが、買い手が下支えしている。
416を明確に下抜ければパターン発動となり、現在値から20%超下落し322までの下値が想定される。途中の節目は402と371。
弱気シナリオは451を回復すれば無効となる。これはソフトウェアや成長株からディフェンシブ株へのローテーションを強め、ナスダックに対する相対的な圧力を増す構図。


