● CoinbaseはETFカストディを通じて機関資金の中核インフラとなっている。
● Coinbase Premiumは米国機関マネーの買い圧力を測る重要指標。
● 現在はプレミアムがマイナス圏で、機関主導の本格回復は未確認。
暗号資産市場の制度化が進む中で、中心的存在となっているのがCoinbaseである。同社は米国上場企業であり、厳格な規制体制の下で運営される数少ない大手取引所だ。特に重要なのは、米国の現物BTC・ETH ETF資産の大半をカストディしている点である。これは単なる取引所ではなく、「機関資金の受け皿」というインフラ的役割を担っていることを意味する。ETF市場が拡大するほど、Coinbaseの存在感は高まる構造だ。
そのCoinbaseの需給動向を測る重要指標が「Coinbase Premium」である。これはCoinbaseのBTCUSD価格と、BinanceのBTCUSDT価格との差を示す。プレミアムがプラスであれば、米ドル建て市場で強い買いが入っていることを示唆し、マイナスであれば売り圧力または需要低迷を意味する。Coinbaseは米国機関投資家の主要ゲートウェイとされているため、この指標は「機関マネーの温度計」とも言える。
2020年の強気相場では、BTCが2万ドル、3万ドル、4万ドルと上昇する局面でプレミアムが持続的にプラス圏を維持していた。これは機関が押し目で積極的に買いを入れていたことを示している。価格だけでなく、「どの市場で強く買われているか」を見ることが重要なのだ。
では、現在のチャートは何を示しているのか。2026年のチャートを見ると、2025年後半から2026年にかけてCoinbase Premiumは継続的にマイナス圏に滞在している。特に直近では-0.05以下の水準が続いており、価格は約68,000ドル近辺まで下落している。これは米国主導の積極的な買いが戻っていないことを示唆する。短期的な反発局面でもプレミアムは十分に回復しておらず、機関投資家の本格的な再参入は確認できない状況だ。
価格がRealized Price(市場全体の平均取得コスト)より上にある限り、ビットコインは長期的な上昇トレンドの中にあります。これは「弱気相場入り」ではなく、あくまで調整局面である可能性が高いということです。そして、Coinbase Premiumが継続的にプラスへ戻れば、米国の機関投資家による本格的な買いが再開したサインになります。その場合、需給バランスは急速に改善し、上昇トレンドが強まる可能性があります。
結論として、Coinbaseは単なる取引所ではなく、制度化時代の中核インフラ企業である。そしてCoinbase Premiumは、その中心にいる機関マネーの動きを可視化する最重要指標の一つだ。価格だけでなく、どの市場で誰が買っているのかを見ることが、次のトレンドを読む鍵となる。
Coinbase Premiumに関する過去の記事
1.米国消費の減速とCoinbase Premiumが示す、ビットコイン相場の現在フェーズ(2026年2月11日)
2. 2026年のビットコイン市場をどう見るか──3つのシナリオと注視すべきオンチェーン指標(2026年1月1日)

