地政学リスクが高まる中でもドル/円は157円台で推移し、従来の「有事の円買い」は限定的にとどまっている。原油高懸念と金利差が円売り圧力となる一方、BTC/JPYは為替と株式市場の影響を受けやすい展開が続く。地政学リスクが高まる中でもドル/円は157円台で推移し、従来の「有事の円買い」は限定的にとどまっている。原油高懸念と金利差が円売り圧力となる一方、BTC/JPYは為替と株式市場の影響を受けやすい展開が続く。

「有事の円買い」起きず=円安継続の背景とBTC

2026/03/04 12:22
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イスラエルと米国によるイラン攻撃、イラクのホルムズ海峡封鎖を受け、金融市場では地政学リスクが急速に意識されている。従来であれば、戦争やテロなどの緊張が高まった局面では、投資家がリスク回避姿勢を強め、円を買う動きが広がる「有事の円買い」が進みやすいとされてきた。しかし、3月4日時点のドル/円は157円台で推移し、むしろ円安に振れている。ビットコイン(BTC/JPY)も方向感を欠く展開が続く。為替と暗号資産の値動きをテクニカル面から検証するとともに、今回の有事の円買いが進まない構造的要因を整理する。

ドル/円、157円台で高止まり

3月4日の東京市場でドル/円は157円台前半から後半でもみ合った。短期的には156円台後半が支持線として意識され、上値は158円近辺が抵抗帯となっている。日足では高値を切り上げる形状を維持し、RSIは過熱圏に達していない。上昇三角形を形成しているとの見方もあり、158円を明確に上抜ければ160円を試す展開も想定される。

円高が進まない背景には、日本のマクロ環境がある。ホルムズ海峡封鎖に伴う原油価格上昇は、日本の交易条件を悪化させるとの見方が強い。エネルギー輸入依存度が高い日本では、原油高は経常収支悪化観測を通じて円売り圧力となる。加えて、日銀は地政学リスクの高まりを受けて金融政策の正常化を急がないとの観測が広がっている。利上げ期待が後退すれば日米金利差は維持されやすく、円の上値を抑える。

高市政権も市場動向を強い緊張感をもって注視する姿勢を示しているが、為替の基調を左右するのは金利差とエネルギー価格という構造要因である。為替介入への警戒感はあるものの、現局面ではドル需要の強さが勝っている。

米国政治とドル需要の再評価

今回の局面で特徴的なのは、「有事の円買い」よりも「有事のドル買い」が優勢となっている点だ。米国では堅調な経済指標が続き、インフレ再加速への警戒も残る。市場では政策金利が高水準で維持されるとの見方が根強く、ドルは安全資産かつ高金利通貨として選好されやすい。

中東情勢を巡る政治的緊張が高まる中でも、米国債市場の流動性と規模は依然として世界最大級であり、逃避資金の受け皿としての機能は揺らいでいない。結果として、リスク回避局面でまずドルが買われ、その後に他資産へ波及する構図が鮮明になっている。

この構造は、円が伝統的な安全資産として評価されてきた時代との大きな違いである。貿易黒字と低インフレを背景に円が買われた過去とは異なり、現在はエネルギー価格と金利差が主導する相場環境に変化している。

BTC/JPYは為替と株式に連動

BTC/JPYは足元で上値の重い展開となっている。ボリンジャーバンド下限付近で下げ止まる場面もあるが、20日移動平均線が上値抵抗として意識される。MACDはゼロライン近辺で推移し、方向感は限定的だ。短期的には為替の変動が円建て価格に影響を与えている。

BTC/JPYチャート 4日午後12時付近:investing.com

地政学リスク下でも、ビットコインは金のような典型的安全資産としては機能していない。暗号資産投資家はリスク回避局面でポジションを圧縮し、流動性の高いドルやステーブルコインへ資金を移す動きが目立つ。米国ではビットコインを国家戦略資産として位置付ける議論も続くが、短期的な価格形成では依然として株式市場との相関が意識されやすい。

為替が円安基調を維持する中で、BTC/JPYはドル建て価格とドル/円の双方の影響を受ける二重構造にある。したがって、暗号資産市場を分析する際には、ビットコイン単体の需給だけでなく、日米金融政策と地政学リスクを含むマクロ環境を同時に捉える必要がある。

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