9日、イラン情勢の急激な緊迫化を受け、世界の金融市場が揺れている。ホルムズ海峡の封鎖懸念から原油先物価格が急騰する一方、リスク回避の動きから日経平均株価は約7%安を記録。暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコイン
BTCが依然下落圧力に抑えられており、市場ではボラティリティが極めて高い局面を迎えている。
イラン情勢の緊迫化に伴い、世界のエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡で緊張が高まっている。イランの精鋭軍事組織「革命防衛隊」は2日、同海峡の封鎖を宣言するとともに、航行する船舶への攻撃を示唆した。
イラン側は実際に無人機を用いて親米ホンジュラス船籍のタンカーを炎上させるなど、強硬姿勢を強めている。
これに対し米軍はイラン南部への空爆を行い、イスラエル軍も首都テヘランの国営テレビや兵器工場を爆撃するなど、事態は極めて深刻な軍事衝突へと発展している。
この地政学リスクを背景に、原油市場では供給不安が拡大している。原油価格は週明けで窓を開けて急騰し、一時120ドル付近まで上昇した。
原油価格チャート 出典:TradingView
ホルムズ海峡は世界の石油供給の約2割が通過する。市場では現在、イラン情勢を背景として供給途絶リスクへの警戒が強まっている状況だ。
日経平均株価も中東情勢の緊迫化を受けて大きく下落している。地政学リスクの高まりによるリスク回避の動きに加えて、原油価格の急騰による企業コスト上昇への懸念が重しとなっている。
エネルギー価格の上昇は、燃料や原材料を輸入に依存する日本企業にとって生産や輸送コストを押し上げる要因となる。その結果、企業収益が圧迫されるとの見方が市場で広がったとみられる。
日経平均株価は60,000円台突破が期待される中で反落。先週末から約3,800円、約7%の下落を見せており、執筆時点で51,700円台を推移している。
日経平均株価チャート 出典:TradingView
なお、TOPIXは5.60%安、グロース250は5.94%安を記録。米国市場ではダウ平均が0.95%安、ナスダックが1.59%安となっており、国内外市場で投資家によるリスクを避ける動きが強まっている。
暗号資産市場でも中東情勢の緊迫化によるリスクオフの影響が広がっている。
ビットコインは4日、70,000ドル超への回帰を目指した動きを見せたものの、その後は上昇分を打ち消す形で反落。執筆時点では66,583ドルと前日比0.9%高となっているものの、下落基調からの明確な反発には至っていない。
ビットコイン価格チャート 出典:TradingView
「デジタル・ゴールド」としての側面を持つビットコインだが、現在の市場では依然としてリスク資産として扱われる傾向が強く、地政学リスクの高まりに伴う売り圧力が意識されている。
2025年10月に記録した120,000ドル超の高値と比較すると、ビットコイン価格は半年足らずでおよそ半値近くまで戻された状況だ。暗号資産市場固有の要因に加え、マクロ経済環境の不透明感も価格上昇への重しとなっている。
ホルムズ海峡の封鎖がどの程度の期間継続するか、そして米軍を中心とした国際社会がどのような対応をとるかという点は暗号資産を含む金融市場において今後の焦点となりそうだ。
当面は各市場でボラティリティの高い状況が続く可能性がある。投資家は今後とも、エネルギー価格の動向がインフレや実体経済へ与える影響を慎重に見極める姿勢が求められそうだ。
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