米資産運用会社ビットワイズの最高投資責任者(CIO)マット・ホーガン氏は10日、ビットコインが100万ドルに達するシナリオを示すCIOメモを公開した。比較的控えめな前提でも現在価格の約14倍は射程圏内にあるとし、価値保存市場の拡大と市場シェア獲得の2軸からその根拠を説明している。
ホーガン氏の試算の中心となるのが、金とビットコイン
BTCで構成される価値保存市場が今後10年で約121兆ドルまで拡大するという見通しである。その根拠としてこれまでの金市場の成長を挙げている。2004年に米国で初の金ETFが上場した当時の金市場の規模は約2兆5,000億ドルだったが、政府債務への懸念や地政学的不確実性、緩和的な金融環境などを背景に年平均13%で拡大し、現在は約40兆ドル規模に達したとしている。同氏はこの成長率が続く前提で、10年後の価値保存市場の市場規模を121兆ドルと見積もっている。
そのうえで、同氏はビットコインを金に近いデジタル型の価値保存資産と位置づけ、理論価格を「市場総額 × ビットコインのシェア ÷ 最大供給量2,100万枚」で導けるとしている。現在の価値保存市場は約38兆ドル規模で、ビットコインの比率は4%弱にとどまるため、この水準で100万ドルに届くには市場の50%超を占めなければならない。しかし、市場が121兆ドルまで拡大すれば、17%のシェアを獲得することで1BTC=100万ドル(約1億5,820万円)に達する計算となる。
4%から17%への引き上げは容易ではないものの、ホーガン氏は足元の変化がその裏づけになるとみている。米国のビットコインETFは史上最速の成長を遂げ、ハーバード大学の基金からアブダビの政府系ファンドまで保有主体が広がっている。また、長期のボラティリティ低下を受けてポートフォリオの5%をビットコインに配分する動きも広がっているとし、数年前にETFすら存在しなかったことを考えると制度面が急速に進展していると述べた。
一方で同氏はリスクも無視できないとし、過去20年の金市場の急拡大は世界金融危機や長期の低金利環境といった特殊な条件に支えられたものであり、同じ環境が再現されなければ金価格が下落する可能性があるという。その場合、ビットコインのシェアの拡大が停滞するシナリオも否定できないと述べている。
それでもホーガン氏は、政府債務問題が危機的水準に達すれば市場拡大はむしろ加速しうると指摘し、価値保存市場の成長とビットコインのシェア獲得がこれまでの流れどおり続くならば、「現在よりはるかに高い価格水準」が基本シナリオになるとの見方を示した。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.2円)


