銀価格(XAG/USD)は木曜日に2.1%下落し、73ドル前後で取引されている。弱気筋は71ドルの直近安値が射程圏内に入った。仮に下抜ければ、長期の0.618フィボナッチ水準となる69ドルが視野に入る。
一方、日足のRSI(相対力指数)は3月下旬から続く上昇トレンドラインに接近している。市場は、買い方がこのラインを守るのか、それとも明け渡すのかを注視している。
日足チャートは、状況を明確に示している。5月7日に急な下降トレンドラインを上抜けた。5月8日、19日、20日にサポートとして同ラインを再テストした。現在は4回目のトレンドライン再試を迎えている。
71ドルで持ちこたえれば、強気の回復が維持され、83ドルのレジスタンス再試へ道が開かれる。その水準を超えると、0.382フィボナッチの89ドルが次の上昇目標となる。
71ドルを割り込めば、状況は一変する。次の大きな買いの関心は、長期0.618フィボナッチ近辺の69ドルとなる。市場がこの領域を最後に見たのは、2月の急落時(63ドル)だった。
71ドルの重複要素が、この水準を最重要な価格帯にしている。直近安値の重なり、下降トレンドラインの再試、より深いフィボナッチ水準への入り口がひとつのゾーンに集約されている。
勢いの状況も価格チャートと一致している。日足では、RSIが43で推移している。これは、3月下旬以降の下落を支えた上昇トレンドラインに直接当たる位置だ。
このトレンドラインは、5月中旬に銀が86ドルへ上昇した際の起点となった。ここから反発できれば、中立から強気の構造が継続する。
逆に割り込めば、2か月ぶりのトレンドライン割れとなる。この場合、日足のモメンタムが反転し、今後数週間の下落の可能性が高まる。
43水準も注目される。3月と4月にも調整局面の上限となった。ここで3度目の反発が起これば、複数月にわたるボトム形成が続く。
現時点で、強気・弱気双方が決定打を待っている状況。
より短期の4時間足では、弱気色が強い。XAG/USD 4時間足チャートでは、価格が71ドルの下値支持線に向かう中、ボリンジャーバンドが大きく拡大している。この動きは通常、その方向への確固たる勢いを示す。
直近の4時間足終値は73.16ドルで、下側バンドは72ドル付近まで下落している。このバンドは直近の安値とほぼ一致する。
5月27日には4時間足のミドルバンドを下抜けた。この動きで76ドル近辺の持ち合いは崩れた。以降、全ての足で売り方が主導権を握っている。
4時間足RSIも36まで落ち込み、売り優勢が鮮明だ。短期的なモメンタムを中立に戻すには、売り方が76ドル以上で制御を失う必要がある。
マクロ要因も弱気シナリオを後押ししている。6月のFRB利下げ観測は、4月CPIが高水準だったことを受けて48%から8%未満まで急低下した。この変化がドル高を促し、ドル建て金属が圧迫された。
また今週は、米・イラン交渉による原油価格の下落で、銀の安全資産としての評価も後退。焦点は再び工業用需要に移るが、製造業指標の悪化でその需要も弱まっている。
次の展開は、RSIの上昇トレンドラインと、71ドルの水平支持線のいずれが先に突破されるかにかかっている。


