量子耐性暗号資産が5月の注目銘柄に浮上、ビットコイン(BTC)を59.3%上回るパフォーマンスとなった。市場全体が売られる中でも、バイナンスリサーチが報告した。
上昇の中心はジーキャッシュ(ZEC)で、5月中旬に690ドルを突破。カルダノ(ADA)を抜き、時価総額で第9位に浮上した。
5月は暗号資産全体にとって厳しい月となった。総時価総額は前月比3.3%減の2兆5500億ドルに落ち込み、ビットコインも約4.8%下落。バイナンスリサーチはこの下落要因をマクロ経済の圧力に起因すると指摘した。
ビットコインは200日移動平均線と短期保有者実現価格を試し、維持できなかった。米連邦準備理事会(FRB)のタカ派的な発言や根強いインフレが現物ETFからの資金流出を招いた。
SoSoValueのデータによると、5月のビットコインETFからは24億3000万ドルが流出した。これは2025年11月以来最大の月間流出額となった。
こうした環境下で、モメンタムに着目したテーマへの資金回帰が目立った。量子耐性銘柄バスケットはビットコインを前月比59.3%、年初来で26.3%上回る成績となったとバイナンスリサーチは分析した。
同インデックスはジーキャッシュの比率が約88%と高い。残りはアルゴランド(ALGO)とスタークネット(STRK)で構成する。
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ジーキャッシュは5月にテーマの具体的な材料を提供した。コンセンサス・マイアミ会議で、Zcash Open Development Labのジョシュ・スウィハートCEOは、量子耐性を持つウォレットが1か月以内に導入されると述べた。
スウィハートCEOは、ネットワークが完全なポスト量子対応を12~18か月以内に達成すると追加で言及。こうした流れはジーキャッシュだけでない。アルゴランドは今年初め、グーグルがポスト量子アーキテクチャを評価したことで急騰。スタークネットも基盤レイヤーで同様の戦略を採用した。
量子リスクはもはや遠い課題ではない。バイナンスリサーチは、大口投資家が量子リスクを身近な懸念材料として重視し始めたと指摘した。
イーサリアム(ETH)共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は「2030年までにブレイクスルーが起きる確率は約20%」と見積もる。さらにチャールズ・ホスキンソン氏は「2033年以前に量子コンピューティングが暗号資産の深刻な脅威となる確率は50%以上」とする。
しかし売買の熱気は足元で沈静化。ZECは直近1か月で約31%下落し、423ドル付近。現在は時価総額で15番目前後に位置するが、ADAを上回る。今後数か月で量子耐性銘柄のブームが再燃するか注目される。
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