イーロン・マスク氏がトリリオネアでなくなった。スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(SpaceX)株の急落により、同氏の純資産は今月初めのナスダック上場以来、初めて1兆ドルを下回った。
SpaceX(SPCX)は6月12日に新規株式公開(IPO)価格を135ドルに設定し、初値は150ドルとなった。これにより、マスク氏の資産は6月16日に最大1兆3200億ドルに達した。だが、その後株価は過去最高値225.64ドルから31%下落し、ブルームバーグ・ビリオネア指数によれば、同氏の純資産は9570億ドルとなった。
現在、SPCXはおおよそ156ドルで取引されている。6月16日に記録した過去最高値225.64ドルから大きく下回る水準である。今回のIPOは過去最高額の750億ドルを調達した。時価総額はおよそ1兆7700億ドルとなり、史上最大規模の上場となった。
下落は急速である。月曜日だけで株価は16%超下落した。この1日でマスク氏の資産は約2400億ドル減少し、ブルームバーグ・ビリオネア指数によれば、同氏の純資産はおよそ1兆800億ドルに縮小した。6月24日時点でブルームバーグは9570億ドルと算定し、マスク氏の「世界唯一のトリリオネア」時代は短期間で終わった。
下落はSpaceXだけにとどまらない。アルファベット、メタ、マイクロソフト、アマゾンも同じテック株売りで過去1年で最悪水準のセッションを記録した。一方、テスラは年初来で7%超の下落となり、マスク氏のポートフォリオ全体にさらなる圧力がかかっている。
投資家は今後、構造的な試練も控えている。SpaceXは段階的なロックアップスケジュールを採用している。内部関係者による初期株式は、早ければ7月下旬にも市場に出回る可能性がある。通常の180日間のロックアップは12月8日に解除される。
SpaceX株のナスダック上場は個人投資家の需要を集めたものの、2025年に純損失49億ドルを計上しており、現在の企業価値が実態を反映しているかどうか、アナリストの間で論争が続いている。
マスク氏はブルームバーグの富裕者ランキングで依然として首位を維持している。2位のラリー・ペイジ氏の資産は2970億ドルである。今後、SPCXが最初の内部関係者売却を迎える前に安定できるかどうかが、同銘柄とマスク氏のトリリオネア復帰の正念場となる。

