月や星の観測に役立つ「天体望遠鏡」。宇宙や星を身近に感じられる機器で、子どもから大人まで楽しめます。天体望遠鏡はビクセンやスコープテックなどさまざまなメーカーから発売されており、反射式や屈折式などかたちも異なるため、どれを選べばよいか悩みますよね。
今回は、各メーカーの最新商品や売れ筋上位から人気の天体望遠鏡15商品を集め、5個のポイントで比較して徹底検証。おすすめの天体望遠鏡をランキング形式でご紹介します。マイベストが定義するベストな天体望遠鏡は「子どもでも簡単に扱えて、月をはじめとする有名な星が非常に美しく観察できる商品」。徹底検証してわかった天体望遠鏡の本当の選び方も解説しますので、ぜひ購入の際の参考にしてください。
マイベストではベストな天体望遠鏡を「子どもでも簡単に扱えて、月をはじめとする有名な星が非常に美しく観察できる商品」と定義。ベストな商品を探すために、人気メーカーの最新商品やAmazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなどで売れ筋上位の天体望遠鏡15商品を集め、以下の5個のポイントで徹底検証しました。検証①:組み立てやすさ検証②:天体導入のしやすさ検証③:天体の見えやすさ検証④:場所移動のしやすさ検証⑤:収納時のコンパクトさ
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誰でも扱いやすく組み立て簡単!見え方も美しい優等生
天体望遠鏡・双眼鏡の製造を行う国内メーカー、スコープテックの「アトラス60 天体望遠鏡セット」。子どもが自ら操作できて長く使えることをコンセプトとした天体望遠鏡です。三脚や架台は組み立ての必要がなく、全体的に使いやすい印象でした。取りつけが必要な鏡筒・微動ハンドルも、大人なら説明書がなくとも組み立てられるほどシンプルな設計で、子ども1人で組み立てられるでしょう。架台はフリーストップ式ではないものの微動に対応した経緯台。微動ハンドルはフレキシブルで、手が短い子どもでも操作しやすい印象でした。ファインダーはのぞき穴で扱いやすいほか、三脚・架台は重めですが精度よく作られており、正確な調整ができました。 天体の見えやすさの検証では、月のクレーターやそこから伸びるラインまではっきり確認できるほど鮮明でした。月のエッジには不自然な色づきや解像度の低下は感じられず、くっきりとした見え方といえます。コントラストも高く、月の細かい模様までよく見えて好印象でした。本体は約4.5kgと重めですが、教科書が入ったランドセルと同程度の重さ。子どもでも持ち運べる重さなので、場所の移動は子ども1人でもできるでしょう。三脚は収納時には90cmと1mをきる大きさで、棚や押し入れにも収納しやすいサイズです。事前準備も不要で手軽に組み立てられるため、大人はもちろん子どもでも簡単に扱えます。今から天体観測をはじめたいすべての人におすすめの商品です。
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シンプルな構造で準備・操作は簡単。初心者でも扱いやすい
ルーペや虫眼鏡の製造を行う国内メーカー、池田レンズ工業の「リゲル60 スマホ撮影セット」。メーカー保証が3年間と長く、初心者でも扱いやすいと謳われている商品です。三脚・架台は組み立ての必要はなく、箱から出してすぐに使用できます。架台には微動ハンドルがついているため、取りつけが必要なのは鏡筒部分のみ。説明書を読まなくても組み立てられるほどシンプルな構造で、大人だけでなく子どもも非常に使いやすい設計と感じました。架台はフリーストップ式ではないものの、微動に対応している経緯台であるため鏡筒の向きを細かく調整できます。ファインダーはのぞき穴で調整が不要であるため、子どもや初心者でも扱いやすいでしょう。三脚の安定性も高く、足が当たったり、強めの風が吹いたりしても倒れることはほとんどないでしょう。天体の見えやすさの検証で月を観察した際には、解像感が高く見えて好印象でした。月のエッジに不自然な色づきが見られる場合もありましたが、ほとんど気にならないでしょう。コントラストは高く、メリハリのある見え方といえます。本体重量は約3.0kgと軽量で、大人はもちろん子どもでも負担なく持ち出せるでしょう。観測場所を変えるために持ち上げても負担は感じませんでした。一方で、三脚は収納時でも104.5cmと1m以上の長さがあり収納場所を選ぶ必要があるでしょう。
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架台・三脚の組み立てが不要。ケース付属で持ち運びやすい
天体望遠鏡を製造する光学機器メーカー、ビクセンの「スペースアイ700」。口径70mmと大きめながら鏡筒は比較的軽量で、入門用と謳われている天体望遠鏡です。架台や三脚は組み立て不要で準備が簡単。鏡筒やファインダーはネジを取り外さなくても取りつけられるので、大人はもちろん子どもでも苦労せずに準備ができるでしょう。ファインダーは光学式を採用。ネジで向きを調整する必要があり、はじめて使う際は難しく感じる人もいるでしょう。架台はフリーストップ式で微動にも対応している経緯台であるため、鏡筒の向きを柔軟に細かく調整できました。安定感のある三脚は高さ調整の幅が広く、無理のない姿勢で観察できます。天体の見えやすさの検証では、コペルニクスと呼ばれるクレーターとそこから伸びる線まではっきり確認。エッジには不自然な色づきはなく、解像感の高い月が観測できました。天体望遠鏡で月を見慣れている人でも、その美しさに感動できるでしょう。本体は約3.9kgと軽量でケースも付属するため、持ち運びやすい印象です。収納時は三脚は90cmまでみじかくなるものの、三脚と鏡筒を並べると幅が27cmもあり、置く場所によってはスペースをとってしまう可能性があります。
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小さな子どもへのプレゼントに!組み立て簡単で月が見やすい
ケンコー・トキナーの「SKY WALKER SW-60A」は、天体観測に興味を持ち始めた小さな子どもへのプレゼントにおすすめです。子どもでも簡単に組み立てができ、天体を見やすいのが魅力。セットアップしたときの三脚の高さは92.5cmと大人が使うには低いため、小さな子どもに向いています。三脚・架台の組み立てやファインダーの取りつけが不要で、子どもも大人も簡単に組み立て可能。鏡筒を架台に載せるときも扱うネジが少なく、大人なら説明書を読まなくても設置できそうなシンプル設計が魅力です。のぞき穴ファインダー付きで、難しい操作なしで天体を導入できます。架台は微動に非対応でハンドルもないものの、フリーストップ式を採用。見たい位置で手を放せば自動で止まります。三脚の高さ調整はできませんが、架台や三脚は安定しておりブレにくいことも魅力です。解像感は良好で、より上位の商品には及ばないものの天体の見えやすさも申し分ありません。注視すると紫っぽく見え、色収差やくもりが見られますが、月を見るのに支障はありません。本体重量は約1.7kgと軽めで、子ども1人でも場所移動がしやすいでしょう。ただし収納時の三脚の高さは105cmで、コンパクトには収納しにくいといえます。とはいえ、組み立ての簡単さ・観察のしやすさに優れ、2万円台と買うハードルもそこまで高くはない1台。まずはこの1台から宇宙への興味を広げてみてはいかがでしょうか。
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鏡筒は重めだが向きの微調整は簡単。天体はとてもよく見える
天体望遠鏡や双眼鏡で有名な国内メーカー、ビクセンの「モバイルポルタ A70Lf」。コンパクトさと使いやすさの両立を目指した設計の天体望遠鏡です。三脚と架台は分離されており、箱から出して使う場合は組み立てが必要です。ファインダーや微動ハンドルなど取りつけが必要なパーツも多く、組み立ては少し複雑。重めの鏡筒を架台へ取り付ける際は、片手で鏡筒を持ちながらネジ止めする必要があります。慣れればそこまで難しくは感じないものの、子どもが扱うには難しいといえるでしょう。架台は微動ハンドルに加えフリーストップ式も採用した経緯台で扱いやすい一方、ファインダーはネジで調整が必要な光学式を採用。はじめての望遠鏡を探している人にはあまりおすすめできません。三脚の安定性は高く、手が本体に触れてもほぼブレず安定して観測できました。天体の見えやすさはとても良好です。解像感・コントラストはともに高いうえ、曇りがなくクリアに月が見えるので不満はまずないでしょう。月のエッジに不自然な色づきや解像感の差はほぼ見られず、天体の見えやすさにおいてトップクラスでした。本体重量は約4.9kgと重め。子ども1人では運ぶのが難しいため、天体望遠鏡を移動させるときは大人がサポートしましょう。収納時は鏡筒の長さが86cm、三脚と鏡筒を横に並べた幅が20cmとコンパクトで収納場所には困らないといえます。
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約9.0kgと重くパーツも多めだが、天体はトップクラスに美しい
世界的にも有名な日本の天体望遠鏡メーカー、ビクセンの「ポルタII A80Mf」。本格仕様ながら手の届きやすい価格で、市場で高い人気を誇る商品です。三脚と架台は分離されて収納されており、箱から出して使う場合は組み立てが必要です。ファインダーや微動ハンドルなどパーツは多いものの、組み立てにネジを外す必要はないため、大人ならスムーズに組み立てられます。一方で、鏡筒が単体で2kg以上あるため、子ども1人で架台に取りつけるのはやや難しいでしょう。架台は微動に対応しているほか、フリーストップ式を採用した経緯台で操作は簡単。一方、鏡筒の接眼部から微動ハンドルが遠く、子どもには扱いにくい恐れがあります。ファインダーは2つのネジで調整する光学式のため、慣れるまでは天体を探すのがやや難しいでしょう。天体の見えやすさの検証では、コペルニクスと呼ばれるクレーターとそこから伸びる線がはっきりと見えるほど高い解像感でした。また、月のエッジには不自然な色づきや解像感の差がないうえに、曇りが一切なくクリアに見えました。細かな模様まで観測でき、月がすぐそこにあるかのようなリアルさを感じるでしょう。本体重量は約9.0kgと重く、大人でも軽々とは持ち上げられませんでした。観測場所を変える際は、大人が持って移動しましょう。収納時は三脚よりも鏡筒のほうが短く、長さは86cm。1mもないため収納場所には困らないでしょう。
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最安価格:11,000円(2025/12/08時点)
鏡筒の向きの微調整はできないが、軽量で移動が簡単
神奈川県に本社を構える光学機器メーカー、スコープテックの「ラプトル50 天体望遠鏡セット」。ECサイトでも高い人気を誇り、世界天文年セレクションを受賞した商品です。三脚は3本の脚がバラバラになっており、架台・三脚開き止めに取りつける必要があります。6か所もネジで固定する必要があるため、外に持ち出す前に明るい家や車の中で組み立てるのがよいでしょう。三脚を組み立てたあとは、鏡筒を載せるだけで組み立て完了です。パーツをたくさんつける必要がないため、ネジをしっかり固定したあとであれば大人だけでなく子どもにとっても組み立てやすい印象でした。ファインダーは調整不要なのぞき穴で、子どもでも難なく扱えるでしょう。一方で、架台は微動に対応していないため、微調整は少し面倒に感じる場合も。安定感は十分あり、体が軽くぶつかっても倒れることはないでしょう。天体の見えやすさは良好で、不満を感じることはないといえます。解像感は高く、月のクレーターもよく見えました。よく目を凝らすと月のエッジに緑色の不自然な色づきが見えたものの、一般的な観測ではまず気にならないでしょう。本体重量は約1.5kgと軽量で、中身の入っていないランドセルに近い重さで持ち運びは簡単です。子ども1人でも難なく場所の移動ができるでしょう。収納時は長さが98cmで、横幅が16cmとコンパクト。棚やクローゼットの隙間に収納できます。
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架台は微動非対応だが、組み立てやすく天体もきれいに見える
ルーペや双眼鏡などのレンズ製品を展開しているメーカー、池田レンズ工業の「レグルス60」。初心者でも扱いやすい入門編と謳う商品です。三脚と架台は分離されて収納されており、各足と架台をネジで固定する必要があります。ネジが細かいので事前に明るい場所で組み立てておくのがおすすめです。ハンドルやファインダーを取りつける必要がなく、鏡筒も軽量で子どもでも簡単に組み立てができるでしょう。ファインダーは調整不要ののぞき穴で、初心者でも簡単に天体を探せます。一方で、架台は経緯台でフリーストップや微動には対応していません。鏡筒の向きの微調整ができず、天体の位置調整や追跡に苦戦してしまいました。天体の見えやすさの検証で月を観察した際には、解像感が高くクレーターの凹凸まで見えて好印象。月のエッジに紫色の不自然な色づきが見られる場合もありましたが、ほとんど気にならないでしょう。本体重量は約1.6kgで、大人はもちろん子どもでも持ち運びがしやすいほど軽量。三脚は79cmまで短くなるため、収納時は置き場所に困りません。
おすすめスコア:4.35(2025/12/08時点)
最安価格:35,640円(2025/12/08時点)
組み立て簡単でコンパクトに収納。天体観測を手軽に楽しめる
サイトロンジャパンの「ACUTER OPTICS VOYAGER MAK70 FAST」は、組み立てや片づけが簡単で、収納時もコンパクトなものがほしい人におすすめ。三脚は組み立ての必要がなく微動ハンドルは架台と一体型です。細かいパーツやネジの取り外しが必要な部分が少なく、初心者でも簡単に組み立てられるでしょう。鏡筒の重量は1.12kgと特別重いわけではなく、本体重量も約3.06kgとそれほど重くありません。子どもや初心者でも1人で取りつけられるでしょう。収納時は鏡筒28.5cm・三脚63cmとコンパクトなので、キャンプや場所を変えての天体観測にも向いています。天体の見えやすさも高評価。実際に月を観測すると、クレーターまではっきりと見えました。やや紫白色の色収差やフチのぼけが生じたものの、ほとんど気にならないでしょう。天体導入には、光学ファインダーの位置調整が必要であるため、初心者だと最初は手間取ることも。一方で、架台は微動に対応しているほか、フリーストップ式を採用した経緯台で操作は簡単です。架台や三脚は安定しており、ブレが1秒以内に収まるため、見にくさはほとんど感じないでしょう。初心者でも簡単に組み立てて使えるので、天体観測をこれから始めたい人におすすめの1台です。
おすすめスコア:4.28(2025/12/08時点)
最安価格:16,827円(2025/12/08時点)
卓上サイズのコンパクト望遠鏡。準備は簡単で天体もよく見える
「MAKSY GO 60」は、サイトロンジャパンより発売されている卓上サイズの天体望遠鏡。鏡筒のカバーが開き、望遠鏡の仕組みが見てわかるユニークな設計です。組み立ては非常にシンプルかつわかりやすく、子どもだけでも組み立てられるでしょう。三脚はなく、内蔵のスタンドを引き出すだけですぐ設置できます。説明書もイラストが多くわかりやすいものでした。ファインダーは3つのネジで調整する光学式で、スムーズに調整するには慣れが必要です。非常に軽い力で望遠鏡の向きを変えられますが、微動対応ではないため向きの微調整はやや難しく感じました。天体の見えやすさの検証では、コペルニクスと呼ばれるクレーターやそこからに伸びる細かな模様も見えるほどの高い解像感でした。月のエッジに不自然な色づきや解像度の低下のない、クリアな月を観測できるでしょう。卓上サイズのコンパクトな望遠鏡で、重さも約1.3kgと軽量。子どもでも簡単に持ち運べます。箱に仕舞う際は接眼部分とファインダーを外すだけで箱に入るので、毎回鏡筒を架台から取り外す必要もありません。次回使うときも箱から出すだけですぐに使えるでしょう。
監修者:伊藤うらら(宇宙・星空イベントプランナー)
ガイド:八幡康平(元ガジェットメーカー営業/マイベスト 家電・カーバイク用品担当)
※ 監修者は「選び方」についてのみ監修をおこなっており、掲載している商品・サービスは監修者が選定したものではありません。マイベストが独自に検証を行ったうえで、ランキング化しています。


